【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
入れ替わりで、月野森きららになったヤスが同じセットに入る。



その顔はもう、木酪泰則じゃなくて、アーティストの月野森きららで、私は途端に吐き気がするほどに緊張する。



私が座っていたそこへきららが座ると、同じセットなのに雰囲気が全然違う。



曲に合わせて、カメラを見て歌うようにする月野森きららは、やはり美しく、どこか泣いているよう。



何分、何時間の撮影が、まるで一瞬のようで



私は目を離すことが出来なかった。
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