誰よりも愛してくれなきゃ××


「ぶっはっ!またソレー?奏斗くんも分かってるなら言わなきゃいーのにー」


ケタケタと笑いながら慣れた手つきで爪に色をのせていく、みぃ


「でしょー?みぃもそう思うでしょー?」


あっ、みぃってみみのこと

『みみ』だと噛んじゃうから『みぃ』って呼んでる




「あー、めんどくせぇー」


面倒になったり困ったりすると、すぐ自分の髪の毛をクシャッとやるのは、奏斗のクセ


今もほら、やってる


「俺便所、コレよろしく」

「いたっ」


ズシッと頭に重みを感じて落っこちる前にキャッチしたソレは、あたしのより何倍もボロボロのメッシュ製通学かばん


「ちょっと!かばんくらい自分で置きなさいよねーっ」


あたしはヒモかっ!


かったるそうに歩く背中に叫んでみても、振り向くことすら面倒だというように、右手を軽く上げられた、だけ


もーう、しょうがないんだから~




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