誰よりも愛してくれなきゃ××


ギィッ

と、ドアが軋む音と共に扉が開きひょっこり顔を覗かせたクラスメイト


「あー!やっぱりここにいたーっ!旦那が探してたよー?」

「もーう、旦那じゃないってばー」


照れくさくニヤケル顔を隠しもせず、鏡越しにサッとグロスを塗り直す


「心愛から告っちゃえばいーのにー」

「えー、だって言わせたいんだもん」


好き、って



そうじゃなくても『は?お前、俺のこと好きなのかよ?』くらいは言わせたい


そしたら『奏斗は?』って、聞けるのにな



「でたー!心愛の“言わせたい”!そんなんじゃいつまでたっても“幼なじみ”のまま終わっちゃうよー?」


「ははっ」


と、微笑をこぼし

塗っていたグロスをポーチに戻してチャックを閉じる


「そもそもさぁー、なんであーんな鈍感くん好きになったのー?」


「ふふっ、それはひみつー」


女子高生の恋バナをただ純粋に楽しむクラスメイトに「じゃぁね」と手を振って

奏斗が待つ、教室へと向かう





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