誰よりも愛してくれなきゃ××



「ちょっとー、聞いてるー?」


「んぁ?…あぁ」



ほんの少し、マトモに視線が交わったと思えば、



「あーりゃりゃ。ダメだ、こりゃ」



自分の席に腰を落ち着かせ、頬杖を付きながら、またまたアウェイ状態の奏斗



タイミングよくチャイムが昼休み終了を告げ、慌ただしく各々の教室に駆け込んでいく生徒達が行き交う




背後からは



「まっ!あたしは知ったこっちゃないけどねー!」



軽々しいみぃの声音と、ガチャガチャとメイクポーチを漁る音が、遠くに聞こえていて。



でも、あたしは、奏人から意識を手放せない



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