マリア教会
すると、犯人から浴びた銃弾がバラバラと地面に落ちる。
小夜は服の中に防護服を着ていたので体への影響はない。
「だから無事だったの…」
アイリは安心したように息を吐き、そして少し笑顔を見せた。悪魔の微笑みではなく、普通の少女の笑顔。
「心配してくれたんですか?」
何気なく聞くと、アイリは顔を赤くして明後日の方角を見る。
「だ、誰があんたなんかを…!」
「でしょうね」
小夜はアイリに背を向け、
「それじゃあ、私は先に教会に戻ります」
小夜が歩き出した時、アイリの小さな声が届いた。
「何で…」
「?」
振り返ると、アイリは俯きながら両手を強く握っていた。
「何で助けてくれたの?私はあんたに酷い事して来たのに…」
「…昔の話です」
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