こいのおくすり
 
晩ご飯が終わって洗い物のしていると

爽が足元に抱きついてきた。

「どうしたの?」

「あのね、ママはぼくのことすき…?」

「大好きに決まってるじゃない!」

「じゃあ…なんばんめ…?」

その質問にちょっと戸惑いつつも

「一番に決まってるじゃない!」

と爽に答えた。

するとソファに座ってる虎太郎の顔が

一層と機嫌の悪い表情に変わった。

そんな虎太郎とは対照的に

「ほんとに!?ママだいすきーっ!」

と言ってあたしに抱きついてくる爽。

そんな爽を洗い物の手を止めて

抱き上げてあげた。

「ぼくがおおきくなったらけっこんしてね?」

「もちろん」

「ゆびきりげんまんしてくれる?」

「いいよ」

そう言って爽とゆびきりげんまんをした。

すると爽は満足そうな顔で

「やくそくだからね!ぜったいだよ!おやすみ!」

と言って自分の部屋へと入って行った。

それを確認してからまた洗い物を始めようとすると

「キャッ…」

後ろから虎太郎に抱きしめられていた。

「虎太郎…離してっ…洗い物…」

「だーめ。ちょっとこっち来いよ。」

そう言ってあたしに洗い物を中断させ

あたしたちの寝室へとあたしを連れて行った。

< 21 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop