禁断の恋はじめます
「かあさんたちの地元ってなんか変だよ。」

啓吾がエレベーターでそう言った。


「なんか…なんか…どっかで間違ってて…
だからここに来ると不思議なのかな。
間違いを直さないとって……。
だけど何が間違いなのかわかんねーし~」


「啓吾は頭がいいから
おもしろいこと言うね。」

パパうまく言葉を入れた。


「このまえの葬式だってそうだったし
さっきだって…お世話になったというわりに
俺を見る目が潤んでたりしてさ…
なんかキモイっしょ……。」



「考えすぎだよ。」


「ならいいけどさ~
あんまり用事なかったら遠慮したい…」


 私もそう思う


きっとパパもママもそう思ってる。



 早く帰ろう


私たちの足取りが早歩きなのは
啓吾と私たちの絆を
必死に守ろうとしてるから…
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