禁断の恋はじめます
「おまえがケガしてさ…
あいつがうちのエースだ扱いで
めっちゃムカつく。」


「代表候補だってさ
たなぼたじゃん…それも自分の妹の
命の恩人から奪い取ったみたいな……
俺らの最後の大会にだって図々しく
レギュラーでさ…
俺が先輩たちを勝たせてやるみたいにさ~」


部員たちは口ぐちに
啓吾の悪口を言った。


複雑な気持ちだった。
勇樹がどんなことを言うのかが心配で
私はその会話を聞いていた。


「仕方ないさ~
啓吾には才能があるからな~」
勇樹はそう言った。


「才能ならおまえの方があるじゃん。
おまえがいたら啓吾なんて
おまえの足元にも及ばないし~~」



「なことないって……
でも悪いな俺がいないことで
おまえらにストレス感じされて……」



「やっぱ間に合わないのか?」



「なんだかな~
多分…間に合わないな……。
ボール蹴ってないとさ…不安で仕方ないんだ……
それこそ啓吾に追い越されるってさ…」

勇樹はそう言うと寂しそうに笑った。
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