禁断の恋はじめます
踏みにじられる誇り
両親の前では兄妹を装っていたけど
それ以外のところではお互い
目を合わせずに過ごした。


目が合ったら
どうなってしまうか
わからなかった。


危ない橋を渡ろうとする気持ちを
必死におさえていた。


期末テストを終えて啓吾が
夏休みを待たずに
大会に出発することになった。


スーツケースに荷物を押しこんでる啓吾に


「頑張ってね。」と声をかけた。



「うん。」



「ケガだけ気をつけて
活躍できるように祈ってるから。」


私を振りかえることなく
啓吾はもくもくと荷物を押しこんだ。


会話をするのも辛かった。
言葉を交わすと
愛の言葉に変わってしまいそうで


ママが
「朱奈 出かけるの?」と言った。



「勇樹と出かけてくる。」



「啓吾出発なのに?一緒に千歳行かないの?」



「うん。」



「そう……」ママは不思議そうな顔をした。



「じゃあね 啓吾。」


啓吾の横を勢いよく通り過ぎる。


「今度勇樹くん 連れてきなさいよ。」
ママの声が背中に聞こえた。

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