禁断の恋はじめます
「俺には応援してくれる人
いなかったから
啓吾はうらやましかったな~。」



「こんなに有名なのに?
家族は試合にこれなくても
応援してくれてるでしょ?」



「サッカーは俺を預ける
保育園みたいなもんかな~」



「そんな……」



「金は出してくれるよ。
いいスパイクも買ってくれるし…
望めば金の使うことはなんでも
してくれるよ。」


「ある意味うらやましい気は
するけど……
うちなんて我慢すること
多いから。
啓吾なんてめっちゃ値引きされた
スパイク探してるもん……」



島田くんは笑った。


「物理的なことって
ある意味あきらめるけど
心理的なことは
やっぱ辛いよ……
頑張ったって誰もほめて
くんないし……さ…」



島田くんが今にも
ポキって折れそうに感じた。


「これから啓吾応援する時
島田くんも
応援するよ……。
だからそんな悲しい顔しないで…」



「ありがと…
めっちゃうれしいよ。」


島田くんは突然
私を抱きしめた。
< 35 / 443 >

この作品をシェア

pagetop