禁断の恋はじめます
三日後 容態の安定している啓吾は
長く留守をしていた
我家の前に立った。



「おかえりって家も
そう言ってるでしょう。
家も家具も全てが啓吾を
待っていたのよ。」


母が涙ぐんだ。


「ただいま。
何度も夢見たよ。
ここに帰ってくる夢を……。」


玄関を開けて

「あ・・・うちの匂いがする。」


そう言うと涙が零れ落ちた。


「朱奈に感謝しなきゃな……。」


「感謝して妹孝行でもしてよ。」


「妹・・・・孝行か。」


私は啓吾の流れ落ちる涙を
手のひらで受けた。


「もう…後悔したくない。」
私は啓吾に言った。


「え・・?」
啓吾は私の顔を見る。



「早く…今日は啓吾の好きなもの
ばっかりママが作ってくれるんだって。」


私は啓吾の手をとって
リビングに引っ張った。
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