弱く儚いモノ達へ
光と影その正体は






「信五。章大を助けられるんはお前だけやねん。お前だけや。」
   


信五へと投げつける言葉。



「弟の時ちゃうねん。今のお前なら章大を救える。せやろう?」
   


裕の言葉に濁っていた瞳に光がさす。











「うわああああああ。」
   









ポケットからナイフを取り出すと手首を切りつける。
滲み出る血。
深呼吸を繰り返す。




「どいてくれ。」
   

気道を確保する信五。
章大へと跨ると手の甲で心臓マッサージを始める。




「章大。あきらめるな。生きるんや。」
   



息を大きく吸うと章大の口へと吹き入れる。






「頼む。動いてくれ。」
   



必死にマッサージを繰り返す。




「動いてくれや。章大。章大。」
  



叫び続ける信五。
ただ願うことしか出来ない皆の姿。
一瞬が数時間に感じる時の流れ。










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