幸せのカタチ
敦之が帰った後、あたしは懸命に部屋の掃除。




そして、部屋の窓から敦之の家を見る。




あり得ないくらい近い、お互いの家はベランダを飛び越えて行けるほどの距離。



しかも、あたしの部屋の向いが敦之の部屋。






敦之はいつもカーテンをしめない。



窓もしめない。



かなり不用心だけど、そのおかげであたしはいつも敦之を見ていられる。






・・・なんて言っても、いつも仕事であまり家に帰っていないんだろうけど。







今日はあたしが布団に入るころも、まだ敦之の部屋の電気が付いていた。


「ドンっ」




びっくりして窓の方を見ると、



「窓開けて」



敦之が指でジェスチャーをしながら口パクでそう言っていた。



急いで窓を開けると



「まだ寝ないの?」


びっくりした様子で聞いてきた。


「今から寝るところだよっ。敦之は??」

「俺も、そろそろ寝る。」

「そっか、おやすみ~。明日、寝坊しないようにねっ。」

「おぅっ、おやすみ。」




好きな人と会話したあとはいつも寝つきが早くて、いい夢を見られる。

今日もきっと、いい夢が見られるだろう。

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