気付いてよ

走って、走って、走った。

溶けて無くなってしまえたら良いのに。

私がいなくなったら朋は悲しんでくれるかな。
それで私のことが一生頭から離れなくなってくれたら、嬉しいかもしれななんて。

それが一生朋を縛り付けるとしても。

なんて。
こんなことを一瞬でも考えてしまう私はただのバカだ。

無我夢中で走ってたから携帯が鳴っていることにも暫く気付けなかった。

(はぁ、はぁ、はぁ、)

息が切れる。

こんなに走ったのはいつ以来かな。

好きって告白したら、もう少し心が軽くなると思ってた。

諦めたり、吹っ切ることが出来るきっかけになると思ってた。

結局その思いは私のただの思い過ごしでしかったってことが今分かった。
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