SICK&TIRED
SICK 4
秋晴れの続く日
吹く風も乾いていて、空が高くて、目にも体にも気持ちがいい
最近アタシは卒論のための調べ物をするために図書館に入り浸っていた
まことも忙しそうだし都合がいい
穏やかな時間が過ぎる空間は落ち着くから････
図書館で本を数冊積んで直射日光があたらない席に腰をおちつけた
携帯をマナーモードにして机に置く
ノートを開いて、本に目を通しながら要所要所にふせんをはりつけた
心地いい陽気にすこし眠気を感じながら静かな時間に包まれていると目の前が少し揺れて椅子がガタンと音を立てた
「見つけた」
目の前に座った姿にアタシは目を丸くする
「図書館に入っていくのが見えたから」
無邪気な加賀見くんの笑顔に一瞬目がくらんだ
チョコレートのようなダークブラウンの髪に夕日になる前の太陽があたって温かそう
春のように胸がほくほくする感覚に包まれて、それに気づくとアタシは焦った
････ぬくもりに浸ってる場合じゃない
