花には水を
強く、俺にとどまるように聞こえる。
大事にしてやってって灯と付き合ってる…って聖夜さんはわかっているのだろうか。
それともただ友達としてなのか?
「あの…どう」
「俺の守りたい唯一の肉親なんだよ、だから」
しんとした病室。
少し開いている窓から流れる風に揺れるカーテン。
「こいつを信じて、そばで助けてやって欲しい」
トト…とドアから聞こえると病室と廊下は個別の空間に変わる。
今さっきまで居た場所とは違う、来るときには気付かなかった濃い消毒液のにおいがツンとする。
あるきだした足はいつもとは違う。
重みを帯ながらも、強く前に進む。
軽く握っているつもりの拳が震える。