ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「じゃあ早速だけど、そこの人参の皮剥きしてくれる?」

「はいはーい」


「うふふ」

私が人参と格闘していたら、不意にお母さんが笑い声を上げた。
私の皮剥き、変なのかしら…

「剥き方、違った?」

「え? ううん、それでいいわよ?」

「じゃあどうして笑ったのよ?」

「嬉しくてよ」

「嬉しい?」

「そう。望愛とこうして台所に立つ日が来るなんて…」

「そんな、大袈裟な…」

お母さんを見たら、エプロンで涙を拭いていた…

「お母さん…?」

「玉ねぎが目に染みちゃった」

まだ玉ねぎに包丁入れてないのに、染みるわけないじゃない。

「お母さん、今までごめんなさい」

「え? 何言ってるの? 望愛はよく頑張ったじゃないの。私こそ力になってやれなくて、ごめんね?」

「あ、人参が目に染みた…」

「え? もう、望愛ったら、うふふ」

「えへへ」

二人して、泣き笑いをしていた。
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