マリン【短編】完結
「あはー、マリン照れてる」
うつむくあたしの頭に手をのせ
ぐしゃっと髪を撫でる新田
「照れてない」
ぐしゃぐしゃになった髪を手駆使で解きながら
新田を見上げた
「真里奈…」
そう言って立ち止まる新田
ドーム型になった水槽の真ん中で新田に見つめられるあたし
「な、なに?」
新田があたしを“真里奈”
なんて呼ぶのはめずらしいことで
いつもは“マリン”と、どこからきたのかもわからないあだ名で呼ばれている。
自由に泳ぐ魚たち
雰囲気に酔い痴れそうになるのは
新田がいつになく真剣な顔をしているから?
「また、来ようね」
握っていた手を引いて
あたしのおでこにちゅっと音をたてた
「なッ!」
おでこに手をあて
真っ赤になるあたしを
新田は可笑しそうに笑ってた
