いちごあめ


「う...うん」


「そんな嫌そうな
顔しないでくれよ」


「いや...別に」


あきらかに
嫌な顔してるあたし。
けど...
そんなあたしに
嫌な表情を見せない



「俺..健。よろしくな」
「あたしは...
さち。よろしくね」

自然な空気
当たり前の空気が
なぜか気持ちいい



「ってか―腹減った」

09時をさす時計を見て
あたしは言葉がでなかった

「う―ん食いもん
ないかな」




「う―ん!あっ!!」

あたしはとっさに
思い出した


鞄を逆さまにした


すると机に


いちごあめが

散らばった


「えっ??何これ」

驚く健くん

「見ればわかるでしょ?!
いちごあめだよ」

「いやいや...
そういう事じゃなくて
何でこんなに??」


「あたしね...いちごあめ が大好きなんだ。
小さい頃からね。
泣いた時も
不安な時も
いちごあめがあれば
あたしは大丈夫
なんだよね」


って...
あたしキモいな


「そんなに好きなんだ??」
「えっ??」

「いちごあめ」

「うん!もちろん」

「そっか...」


いきなり暗くなる健くん
気になって声をかける


「どうしたの??」
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