ブスにブスと言われた日から
ブスにブスと呼ばれた朝
アタシの朝は、ノイズの入ったパイプオルガンの音色が複雑に絡み合う旋律で始まる。


ここは私立聖影学園。窓の外にはラフな私服でぽつりぽつりと登校する生徒の姿が見えるけど、一応ミッション系の由緒正しい高校である。

その名残で早朝はスピーカーからレコード音源の讃美歌が、人気のない教室や廊下を浄化するかのように流れている。

もっとも、大半は予鈴ギリギリで来るので聞いたことがある生徒は多くはないだろう。

厳かでゆったりとしたメロディとは対極的にアタシの鼓動は大きくなり、どんどん早まっていく。

だって…アタシの行く先にはアイツがいるから…。
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