先生VS私

舞踏会の魔法




舞踏会の会場は、学園とは別の一角にある。


ダンスホールと、バラの咲き乱れる西洋の庭園……とてつもなく広大で、
まるで、シンデレラのお城のような雰囲気である。




ダンスホールには、
色とりどりのドレスを身にまとった生徒、
王子のような服をまとった者など、
まさに舞踏会という感じだ。



音楽はオーケストラの生演奏、

軽食と飲み物も完備……


…理事長の趣味とはいえ、やりすぎではないだろうか…



「伊達先生、礼服お似合いですね」



「水野先生!!…俺が言うのもなんですが…格好いいですね…」



「ふふっ、ありがとうございます」


伊達先生お墨付きなら大丈夫ですね。


そう言って水野は微笑んだ。


「水野先生の相手って……」


そう言った瞬間、水野の顔が、うっすらと赤くなった。



「……とても素敵な人です。僕にはもったいないくらいの」



「そんな素敵な人なんですか?…ぜひ会いたいですね…」



そんな会話をしていると、ホールが薄暗くなり
スポットライトに照らされた理事長が登場した。



「只今より、一夜限りの舞踏会を開催します」


それと同時に演奏が始まる。


「伊達先生、それではまた」


「頑張ってください、水野先生」


そう言って伊達は中庭へ出ていった。


「…伊達先生も頑張ってください」


水野先生の呟きに、俺は気付かなかった…

< 34 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop