Calling Me.
始まりのプレリュード。


糖分の取りすぎはよくない。




それ以前に、何でも「すぎる」のは体によくないと思う。
「すぎない」のも体によくないと思うけど。
悪い、悪いと思っていてもやめられない。それが人間だと思う。


口の中にある、甘味を噛み噛み。
「あれ?味がなくなってきた」なんて思いながら、味の無くなった苺味のチューイングガムを紙で包む。
君の仕事は終わったんだよ、さっさと紙に包まれなさい。
ガム(紙?)を近くにあったゴミ箱に放り込んで、手をポケットの中にin!
手のひらに収まったのはチョコレートキャンディ。
それをポイッと口の中へ。
甘ったるい味が舌をベトベトさせる。

嗚呼、不味い。

別に飴やガムを好きで食べているんじゃない。
むしろ大嫌いだ。
が、これらが口に入っていないと落ち着かない自分がいる。
ハァッと出した、ため息一つ一つが甘ったるい匂いに犯されているのに頭が痛くなる。
頭を緩く振って後ろを振り返った。

「紫雲王子学園」

その名の通り無駄にでかい学校で生徒の成績も良いと評判。
不良が多いと評判されているのも此処。
ちなみに「王子」とか言っておきながら男子高ではない。

まぁ不良なんかも居てくれるおかげで、私は事業中だろうが飴かガムをもぐもぐ。
実にすばらしい学校だと思う。


特に不便の無い平凡な毎日。

空っぽになったココロ。
唯々毎日を機械的に過ごすだけ。

まぁ、生きていれば良いんだもの。
不幸な事が起こっても、幸せはやってくるもの。
それも機会的に。

機会的に手を動かし、字を読み、勉強する。
機会的に手を動かし、料理して、口の運んで、噛んで飲み込む。
機会的に明かりを消して、毛布を被って寝る。

もはや、この行動は「作業」のような物だった。

機会的に過ごして、機会的に過ごして。

機会的に機会的に。

機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に機会的に。










何時から私は
空っぽな、メモリーカードを埋め込まれた【人形】になったんだろう。




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