【中編】夢幻華

Side暁

「俺が欲しいって…杏も大胆な事をいうようになったんだな」

俺は平静を保って見えるだろうか。

自分の声が、耳元でやたらと大きく聞こえる心臓の音に、かき消されてしまいそうだ。

「俺が欲しいって、キスでもすればいいのか?それともそれ以上を教えればいいのかな?杏ちゃん」

おどけて誤魔化して見せるが、こんなにも動揺して杏に不審に思われていないだろうか

おまえが望むなら俺はいつだっておまえだけのものになるよ。


いや


もうずっと前から


俺はおまえだけのものなんだけどな。




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