あたしの絶対的恋愛事情

1人で放心状態になっていると、拓也が突然目の前に来た。

「おい!麻妃?まじで大丈夫か??」

うわぁ!!びっくりしたぁー・・・。

「にゃっ!何??びっくりした・・・。」

ちょ、あたし拓也の前でボーっとしてた!しかも、なんか、近くない??

「あ、あの、その・・・えっと、色々心配かけてごめんねっ!!」

なんとなく気まずくなり、あたしは教室へ戻ろうとした。

「もう、大丈夫だから!」

そう言い残しドアに手を掛けようとした。が、

いつの間にかあたしのすぐ後ろに拓也が立っていて、ドアを開けようとする手を

拓也の手が制御していた。

なんとなく気まずくて、振りかえることができない。

それを察知したのか、拓也が口を開いた。

「あのさ、この前話したいことあるって言ったよな?」

あ・・・そう言えばあの時、拓也話があるって言ってたよね・・・けど、あたしは

蒼井翔太から眼鏡を取り返そうとしてて・・・あれから、話聞けないままだったんだ

・・・。

「うん・・・。な、何?」

顔を合わせられなくて下を向いていると、

「麻妃。こっち向いて?」

耳元で囁く拓也に、頬が赤くなっているのが自分でも分かった。

そして、拓也が無理やり自分の方に体を向けさせた。

「は、話って何?」

噛みながら言うと、

「俺さ、お前と別れた後もずっとお前の事気になってた・・・。俺から別れようって
言っといて自分勝手なのは分かってる。でも、まだ好きなんだ!」

え?拓也が・・・あたしを?でも、なんで今更・・・。どうすればいいの?

「ちょ、ちょっと待って、拓也から振ったんだよ?なのに今更まだ好きって言われても
・・・。」

「アイツの事好きなのか?」

え・・・?アイツって・・・

「翔太だよ。お前、翔太の事好きなのか?」






< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop