JUNKETU ~首筋にkissの花~
どうしょもない抑えきれない衝動に目を閉じた


瞬間――――



「はいは―い、そこまでにしとこうか!」



オヤジの軽い口調にその場が凍りつく。



肩をびくつかせたのは俺ダケじゃなく、いつの間にか大人しく俺に舐められていたジュンも肩をびくつかせ、そして俯く。


それは罪悪感―だろうか。

唇を重ねたワケでも、身体を許したワケでもなく

ただ掌に舌を這わせただけなのに。

ケガした傷口を応急処置した様に舐めただけなのに。


俯くジュンは今にも泣きそうな顔をしている。



「ハル、ソレっ近親相関ってやつ?」


「近っ!違うわっ!ケガしてるみたいだから…」


「へー、ふーん。だってジュン」



涼しい顔をしたオヤジが俺達を見下げている。


冷めた赤い目に俺達を映して、



「随分仲良しなんだね」



ギシリとソファーのアーム部分に腰を降ろし、ジュンの肩を自分に抱き寄せた。


そして…



ツーー…


「ぁ、やぁ…ん…」


ジュンの首筋に舌を這わす。



「ん…、んんっ…」



首を小刻みに振って抵抗するジュンを無視してオヤジは牙を突き立てる。



「んぁ、ヤッ…」



情事の最中の様な表情に目が離せない。

喘ぎに近い泣き声に耳が痛い。


見たくないのに、聞きたくないのに身体が動かない。
オヤジの手に全身を握り潰されてるみたいだ



「ハル、ジュンはね…俺のモノなんだよ」


「………」



何も言えない



「でも俺は優しいから、お前にも少しだけ分けてやるよ」


「トウマ、さん…」



オヤジの言葉にジュンは吐息に近い声を漏らす



「ジュン、黙って!…ハル、彼女の血は美味いだろ?だから分けてやる。」



ソコまで話すとまたジュンの首筋に唇を寄せた。


カクンッと頭を前に倒しジュンは気を失った。

ソレをクッと喉を鳴らし酷く可笑しそうに笑ってからオヤジはジュンの髪にキスを落とした。



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