JUNKETU ~首筋にkissの花~


コンコンッ


――――…



「ハル君?」



静かな空間にハルの声だけがやたら鮮明に響き、首だけをソチラに向けた。



「…寝てる?」


「ぃゃ、寝てないケド」


「じゃ、入ってもイイ?」



返事を待たずにドアノブがガチャリと半回転した。


「入ってくるなっ!」


「ハル君?」



半回転したままドアノブが停止した。



「…入ってくるなよ」



今ジュンの顔を見たら自分がナニをするか怖かった。


欲望のままに
傷付けてしまいそうで―



「入ってきたらダメだ、入ってきたら…」


「ハル君…」



「犯すよ?」


「………」



多分脅し、でもどこか本心だった。

それと、今の自分にこれ以上関わって欲しくなかった。


階段を挟んで向かいにあるジュンの寝室ならもし声が漏れたとしても聞こえはしないだろうから…





「ハル君はそんな事しないよ」



真っ暗な部屋に柔らかい光りが射す。その中にジュンが立っていた。

逆光で表情は分からないけど…



「入ってくんなって…」


「うん」


「お前なぁ…」


「うん」



ベッドサイドにしゃがみこんで俺を覗きこんでくる…人の気も知らないで―



「聞いてた?俺の話」


「うん。でもハル君はそんな事しないでしょ?」



少しだけ首を傾げて、「ね?」と付け足した。



そんな事を言われたら何も出来なくなってしまう。

自分が信用されている事を嫌でも感じてしまう。


同時に《安全な男》だと思われている事も―



だけど、
ジュンは間違っている事も理解しなきゃいけないとも思う。



「男の部屋に深夜にノコノコ入ってきてナニされても文句言えねぇよ?」


「え?」



最初のは冗談―



「誘ってんの?それとも試してるとか?」



次は苛立ち…



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