JUNKETU ~首筋にkissの花~

「えぇ、市丸さん休みなんだ!」



本日四人目のご来場。

ジュン目当てにクラスにくる連中はソレを聞くとみんな心底残念そうに肩を落とす。


普段バカ元気なジュンが学校を休む事は確かに珍しい事なのだが…


来た野郎みんながジュンを狙っているのだろうか…

というか


ドレが《ヒトナラザルモノ》なんだ?


怪しいと思えば皆が怪しく見えてくるし、違うと思えば皆がヒトに見える。


しまいには女子までがソレなのではないかと思う始末だ。





「ハル、大丈夫?朝から頭痛してるの?見る度に頭おさえてるし」


「ぁ、まぁ…そんな感じ」


俺を覗きこんでくるミツは心底心配そうな顔をしている。

手をのばして頭を撫でてやると嬉しそうに目を細めた。



「なんかハル優しい」


「そうか?」


「うん!なんか嬉しい」



普段の俺ってそんなに冷たいのか…


くしゃくしゃとミツの髪を撫でる。緩く巻いた髪は指に絡まりつく。

ジュンの髪はサラサラと指の間を流れて掴めない。


「嬉しい!優しい!好きぃ!」



ギュッとしがみついてくるミツは気持ちを口に出してくれるけど、ジュンは口には出さない。

出さないで隠して、笑っている…



「ミツさぁ…」


「二年の新藤ハル、新藤ハル、至急職員室に来なさい。繰り返します。二年の…」



突然流れた校内放送の呼び出しにミツとの会話が頓挫になった。



「なんかしたの?ハル」


「なんも!とりあえず行ってくる」



ふに落ちない呼び出しに首を傾げながら職員室に向かうとドアの前に腕組みをした



「アル…」


「待ってました、ハル」



嫌味なくらいの綺麗な笑顔がソコにはあった。






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