JUNKETU ~首筋にkissの花~
それから―――



「おいし?」


「………まぁ」


「良かった」



ニッコリと笑ってまた次のを剥いて差し出す。
それを何回か繰り返して



「ぁ、無くなっちゃった」


皿には枯れ木の様になった葡萄の房と、薄い葡萄の皮の山。


ジュンは果汁の滴る指先をリップノイズをたてながら舐めている。


その口元が妙に



「エロいな…」


「ん?」



キョトンとした顔で俺を見てから、



「なんか言った?」



聞こえてなかったみたいだ。
なんとなく安堵した――



ジュンは――――

処女は無意識にエロい仕種をする、



マヨネーズの事といい、
指舐めの事といい、


次は何をしてくれるんだか…



こちらの心配を知ってか知らずか(知らないよな)ジュンは独り言を呟く。



「あぁぁ、またベタベタになっちゃった…。せっかくお風呂入ったのに…」



皿を片付けながらまた呟く。



「なんか視線感じるからまたお風呂って…なんか怖いのに…」



カチャカチャと食器が擦れる音がして――



ガチャンッ―!



「っ痛!」



食器の壊れる音と



「ジュン?」


「ぁ、ハル君…」


シンクの中の食器がみるみる紅く染まっていく



鋭利な形状に割れた皿に淵には紅く筋が出来ている。



「切った…のか?」


「ちょっとだけだから!大丈夫……ぇ、ちょっ!」


口の中に広がる鉄っぽいの味、とは別に感じる欲情を煽る程の甘く痺れるような感覚。


首筋ではない部分から血の味は



「お前、ちゃんと食べてる?やたら水っぽい」


「それはっ、だって食器洗おうとしてたからでって、違うっ、ダメだってば!食器の欠片とか入ってたら…」


「うっさい!俺、いまショクジ中。喉が渇いた…。もう少しだけ…」



耳まで真っ赤になったジュンは黙ったままで大人しく指を吸われていた。

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