ゴスロリ彼女のキスの味


「今日は盛大に……」

 ゼロが両手を大きく広げた瞬間、おれの目に白い影が走る。


 倉吉……。


 ビールケースの目の前に陣取ってよかったと思いながら、おれは身を投げ出す。


 ドン!とナイフが胸に深く突き刺さり、躊躇なく侵入してくる。


 果物ナイフじゃなく、キザキザなノコ刃で殺傷力の高いサバイバルナイフ。


 顔を隠す目的で持ってきた日傘では防ぎきれず、フワリと宙に舞う。


「キャ~」という悲鳴でゴスロリ集団が蜘蛛の子のように散らばる。

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