Cygnus
「…おじゃまします。」


小さく聞こえた
ソプラノの声


その瞬間

芳史が立ちあがり
声の方向を見つめていた



そんな姿を見るのは初めてで

俺もつられて同じ方を見た



入ってのは
小柄な女だった

艶のある栗色の髪
きょろきょろと辺りを見る大きな瞳

白い肌は
ふっくらとした
頬だけがリンゴのように赤く染まっていて

思わず触れてみたくなる


そして
彼女の瞳は芳史を見た瞬間
大きくうるんで輝いた





その瞬間
俺の中に衝撃が走った


ヤバい…


なんか…目が離せない…
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