読めない手紙
 
「ヒント…か。それより鈍くさいって失礼ね。」

手紙相手に何言ってるんだろう。
でも、この手紙を読むと…彼と本当に話しているような気がする。

「書きかけの言葉…ちゃんと教えてもらうから。」


ヒントをもとに、考える。

1通目はベット。枕の下。
2通目は床。ベットの下。

って言うことは今のところ順番通りなんだろう。
3通目は…思い出?

部屋を見渡す。

思い出…思い出…

駄目だ。涙が出てくる。
考えなきゃ…早く、見つけてあげなきゃ。
泣いてる暇なんて、無いのに。

でも、部屋を見渡せば。
置いてある物1つ1つが思い出で。

「全部…だよ。」

ねぇ、教えてよ。

まだわかんねぇのかよ?って
本当に、お前は探すの下手だな。って

君は、どこからか手紙を出して

ほれ、取ってみろよ。

そう、言うんだ。
意地悪そうに、悪戯が成功したような、子供っぽい微笑みを浮かべながら。


 


 
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