空の向こう側
「えっ?」
涙を強引に拭い、『沙希』俺から距離をとった。
「私は沙羅だよ?
夏は…私を城に連れ戻すんでしょ?」
『沙希』が言いたいことは分かっていた。
『沙希』は城から抜け出している。
俺はそれを知った瞬間に『沙希』と同罪だ
『沙希』はともかく、バレたら俺はーー
「私はきっと、もう長くは生きられない。
いつか居なくなるような奴の為に…罪なんか背負わなくてもいいよ。」
「!?…何言ってんだよ。」