空の向こう側









二人が去っていった窓を、環は呆れながら見つめていた。




「どういうことですか、環様。」



一人の衛兵が環に問い掛けた。



「アイツの行動は最早退学も免れない程の罪です。今ならアイツを捕らえられ「君は、どう思う?」



「えっ?」逆に疑問を投げかけられた衛兵は首を傾げる。



他の者も、耳を傾けた。




「最愛の者と、最期の別れを果たすのに…10時間という猶予は長いのだろうか?」




環の呟きに答える者は居なかった。






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