きいろい青空【完】

花恋*



「どこいんの?」




思わず独り言を吐いた。



ただただ走っているけれど、颯はなかなか見つからない。





真っ暗な夜道に立ち止まった。





どうしよう…


いないよ……





そうだ。

電話してみよう!




ケータイを取り出し、颯に電話をかける。




『プルルルル、プルルルル』





呼び出し音だけが聞こえ、颯は出ない。



お願い。


出てよ!!





それだけを思い、ずっと待っていた。





その時!



ん?何か聞こえる




「♪~♪~」



音が聞こえる。





これは…颯のケータイの着信音?




確実ではないけど、無我夢中になって走った。



音をたどって。



「♪~♪」



だんだん大きくなってきた音。




もうちょっと…もうちょっと……




音をたどっていくと、お墓が並んでいる敷地内に入った。




その暗闇の中に人影を見つけた。




< 132 / 305 >

この作品をシェア

pagetop