きいろい青空【完】
「え…な、なに…それ?教えて…っ?」
直輝は、ゴメン颯さんとつぶやいて、静かに話し始めた。
「初めて本気で好きになった相手が翼だったらしい。颯さんは、タラシで有名だったらしいからね、初めてだったんだって。本気の恋。そして、ふたりは付き合い始めた。結婚してもいいってくらい、本気だったんだって。でも、いきなり翼が別れを言い出した。他に男を作ったみたいで。それで、ふたりは別れた。そして、その翼との悲しみを埋めるために花恋と付き合いだした。でも、花火大会の頃にヨリを戻そうって言われた。でも、颯さんは花恋を本気で好きになったから、翼の話を断った。でも、しつこく言ってきてキスもされたらしい。それで、罪悪感とか情けなさで花恋に暴力を振るうようになった。すごい、泣いて謝っていたよ、颯さん…それで花恋に別れを言い出した。自分といたら傷つくだけだって…」
どうして…!?
「なんで…?颯は言ってくれなかったんだろう…ひとりで全部抱えて…」
「それも颯さんの、優しさだと思うよ…」
もう一度、メールを見た。
颯が事故る前に送ろうとした…
最期のメール。
颯の優しさでいっぱいだった-----。
この涙は、枯れることを知らない。
いつまでもいつまでも…
涙は溢れていた。