きいろい青空【完】
新しい道



歩き慣れていない、新しい通学路。


いつもの街も違う街に来たみたい。




袖を通した新しい制服。


上手く縛れないネクタイ。




すべてが新しい。


今、ひらひらと舞い落ちる桜並木を歩いている。




周りには、同じ制服を着たひとたちが行き交う。




「直輝ぃーーー!!」



後ろから声がする、と気付いたときには遅かった。



後ろから英斗が勢いよく背中を叩いた。





「痛いよぉ~」




ジンジンとする背中をさすりながら言う。




「はよっ!!早く行こーぜ」




輝くばかりの英斗の笑顔が眩しい。




「うん!」




まだ真新しい白い校舎が見えてきた。


ここで俺たちは3年間を過ごすんだ----



きのう入学式があって、本格的に今日から。




結局、俺と英斗と美久、花恋は同じ高校を志望した。


そして見事合格。




しかも、同じクラス。




「ぜってぇー、美久に告るっ!」



英斗は拳を空に突きだした。




「お~。がんばれ、がんばれ」




なんか楽しくなりそうだ。




そう。


俺の高校生活が始まったんだ。









< 190 / 305 >

この作品をシェア

pagetop