きいろい青空【完】
「あ、英斗じゃん。何してんのアイツ」
「えっ!竜也、英斗知ってんの!?」
竜也の口から英斗の名前が出るとは思わなかった。
「うん、知ってる。てか…」
「あ、気付いたし」
うちらに気づき手を振っている。
それに、振って答えた。
「あれ…なんか…英斗。来たよっ!?」
「だなぁ…」
英斗がすごい勢いで走ってくる。
「はぁーはぁーはぁー…」
うちらの前で、ひざに手をついて息切れしている英斗。
「どうしたの?大丈夫?」
「はぁーはぁー……お前らって…。付き合ってんのっ!?」
あ、そのことですか。
「うん…付き合ってるけど?」
「マジかよーーーーー!!竜也はやめたほうがいいよ!花恋っ」
うちの肩を持ち勢いよく揺らしてくる。
「うわぁぁぁ~~。目ぇ回っちゃうよぉぉ~」
「オイっ!なんだよ、それ。俺がかわいそうじゃねーかよっ」
竜也が横からツッコミを入れる。
「だって!だって、竜也は、ダメだってぇ~」
もっと揺らしてくる。
「ふたりって友達なんだねぇぇぇ~」
「いや。幼なじみだけど?」
英斗と竜也の声が重なった。
そして、英斗の揺らしも止まった。
でも。
「えぇぇぇーーーー!!そうなのっ!?」
そんな新事実、聞いてないよ!
「うん。だから、コイツだけはだめだ!やめたほうが…」
「でも、もう無理ーっ!」
うちは、ワザと竜也と腕を組んだ。
「あぁ…そーかそーか…せっかくの俺のアドバイスを無視するなんて…」
いじけて、口をとがらせる英斗。
美久みたい。
こいつもいじるとおもしろい。