きいろい青空【完】
花恋*
高いヒールの靴を履き、今日は特別オシャレをした。
「いってきまぁーすっ」
「いってらっしゃい」
あいさつをすると、どこからかママの返事が返ってきた。
うちはこれから戦いにいくのじゃーーー!!
そう思い、パンパンッと自分のほっぺを叩いた。
でも、めちゃくちゃ痛くてさする。
今日は竜也とデートだけど…
大丈夫かなぁ…。
でも、気合い入れて行かなくちゃ!!
玄関の扉に手を掛け開けた。
ガチャッ…。
「え」
「え」
………ななななななな直輝っ!?
どーして、開けたら直輝がいんの??
ふたりで固まってしまった。
「えっとぉ…」
言葉を探している様子の直輝。
だめなの…。
まだ、会っちゃあ…
うちは無視して直輝の横を通り過ぎる。
「……待っ…て」
む?
後ろから、直輝の手がうちの腕をつかんだ。
ヤバイ…行けないじゃん!
「花恋」
「………」
どうして、そんなに優しく名前を呼ぶの…?
やめてよぉ。
「…ごめん。今さら思い出したんだ。俺達が、4才の時に桜の木の下で交わした約束。大っきいお城でチューしようっていうの…」