きいろい青空【完】
直輝*
花恋と僕の会話なしの生活がずっと続いた。
花恋はずっと僕を無視している。
でも、やっと…!
「直輝ーー!!早くしてよ」
玄関であの声が聞こえた。
僕は走って玄関に行くと、ランドセルをしょってほっぺをふくらませている花恋。
あのいつもの光景。
「えっ!なんで?ちょっと待って。え、なんで!?」
完全にパ二ックになっている僕。
わたわた慌てて、その場でバタバタと足踏み。
「いーから、早くしてよ!!置いてっちゃうよ。ほら」
「おわっ!」
花恋は僕の手をつかんで、走り出した。
もう一方の手でランドセルを取り、家を後にする。
「待ってよ、花恋!止まって」
そう言うと、花恋は急に止まった。
「はい、止まりましたけど?」
「ねぇ、仲直りは?花恋は僕を許してくれたの?」
「なぁに?仲直りって。なんのことぉ~」
顔を傾けながら話す花恋。