きいろい青空【完】




「どうする?OKした方がいい?」



「なんで、そんなこと俺に聞くんですか?」



「だって、お前。花恋チャンのこと好きなんじゃねーの?」



「だからって、何が変わるんですか?」



「何って…俺、別に花恋チャンけっこー好きだし、OKしてもいんだけど。お前はいいの?」



この人はなんで俺にこんなこと聞くんだろ…?



「別に…」


颯さんから目をそむけて言う。



「好きな女が他の男にとられてもいーのかよ!?好きぐらい言えよ!!」



ちょっと怒鳴って言う颯さん。



俺は、日誌を書く作業に戻る。



「いんですよ…だから、OKしてあげてください」



「あ~~もういーし!せっかく、先輩からチャンスあげてやったのに」


「……。」



無視して日誌を書く。



「わかったよ。明日から、花恋チャンの彼氏になるわぁ~」



「花恋をお願いします…」



「わーてるって。んじゃ行くわ。じゃーな」



それだけを言って颯さんは、帰って行った。



…なんだよ。



OKした方がいいかなんて聞くなんて、好きじゃないんじゃん…




なのに、『お願いします』って…



バカ俺。

バカバカバカ。


大バカ。




でも、颯さん。


よくわからないけど


ありがとう…。



俺の気持ちを察してくれて、ありがとう。





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