きいろい青空【完】

花恋*




直輝とつーちゃんがキスしてた。



キス、キス、キス!!




キスしてた…



うちは、思いっきり見ちゃったよ。



補助バック取りに行っただけなのに。





補助バック抱えて、廊下を小走り廊下を歩いている。





あーーー理解できない。



思考停止…



だって、直輝とつーちゃんがキスだよ!?



ドンっっ!!



「あ、すいません」



廊下で誰かとぶつかった。




「あれ、花恋じゃん」


「え?」



ぶつかった人の顔を見上げると英斗だった。


うつむいたまま歩いていたからわからなかった。



「俺、花恋をさがしてたんだよね!」



ひらめいたような笑顔を見せる英斗。



「なんで?」



「ちょっと話があってね。てか、花恋泣いてる?」



いきなり英斗にそんなことを言われ、反射的に目に触った。




「アハハ、違うよ。あくびしたのっ!!」



と、嘘をつく。




手は雫に触れた。



いつの間にか泣いていたんだ。


涙出ていたのに、気付かなかった。



てか、なんで涙なんか出てんの…?










< 69 / 305 >

この作品をシェア

pagetop