きいろい青空【完】
花恋*
直輝とつーちゃんがキスしてた。
キス、キス、キス!!
キスしてた…
うちは、思いっきり見ちゃったよ。
補助バック取りに行っただけなのに。
補助バック抱えて、廊下を小走り廊下を歩いている。
あーーー理解できない。
思考停止…
だって、直輝とつーちゃんがキスだよ!?
ドンっっ!!
「あ、すいません」
廊下で誰かとぶつかった。
「あれ、花恋じゃん」
「え?」
ぶつかった人の顔を見上げると英斗だった。
うつむいたまま歩いていたからわからなかった。
「俺、花恋をさがしてたんだよね!」
ひらめいたような笑顔を見せる英斗。
「なんで?」
「ちょっと話があってね。てか、花恋泣いてる?」
いきなり英斗にそんなことを言われ、反射的に目に触った。
「アハハ、違うよ。あくびしたのっ!!」
と、嘘をつく。
手は雫に触れた。
いつの間にか泣いていたんだ。
涙出ていたのに、気付かなかった。
てか、なんで涙なんか出てんの…?