きいろい青空【完】
「直輝、はよ~っす」
後ろから英斗が、怠そうに歩いてきた。
「おはよっ!」
「つーか見た!?花恋と美久!!仲直り大成功ぉーーーーー!!やっぱ、俺のおかげだぁ」
英斗は肩を組んできた。
「イテテテ。見たよ、さっきふたりでいた。英斗なんて言ったん?」
「んー?知りてぇか?」
英斗は自慢げな顔で焦らす。
「うん、教えて下さい!!」
「んーー…やっぱ…ナイショー!!」
「はぁあ?なんだよ、教えろよー」
「無理だしぃ。てぇか、何それ??」
英斗は、俺の握っていた四つ葉のクローバーをのぞく。
「あ、四つ葉じゃん!すげぇー。どしたの?」
「花恋がくれた」
「へぇー………なんで?」
「プレゼントだと思うけど…あ、英斗お願い聞いてくれない?」
「なに?金払うんならいいけど」
「んじゃあ、いいや」
「ゴメン、タダでいいから何?言って?俺ならなんでも、働きまっせー!!」
英斗は、願い下げれば逆にやる気を出してくれる。
それをわかっててワザと言った俺。
「じゃあ、頼むよ。花恋によく手を洗っとくように言っといて」
英斗はあからさまに『?』の顔を見せる。
「なにそれ。自分で言えばよくね?」
「いいからいいから、頼んだよ。なんでも働いてくれるんだろ?」
「お、おう。かしこまりー!!」
ある意味、花恋が俺にプレゼントをくれたってことが
キセキだなと思った。
花恋の手…泥だらけだった。
「頼んだ、英斗。あと、俺決めたんだ」
「なにを?」
「昨日のこと…」
「ん…??」
俺は英斗に告げた。
…翼さんと…付き合うと。