Out-of-Eden―禁断の果実―
柊斗さんは何も欠けてない。



私がどうしたいか。



わかっている気がする。




タバコの煙を出しながら、柊斗さんは何を考えているのだろう。




「どうした?」

「……えと、何でもないです」




見すぎてしまったらしい。




「あっあの。チョコです。昨日、作りました」




柊斗さんの手に小さい箱を乗せた。



昨日、チョコを小さい箱に詰めたから、その所為で殆ど睡眠はしていない。




「ありがとな」



徹夜した甲斐があった。




笑って受け取ってくれたら、嬉しく思った。




「はい、林檎ちゃん」



先ほど冷蔵庫をあさっていた昴さんが私に、ペットボトルのジュースをくれた。




「ありがとうございます」


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