Out-of-Eden―禁断の果実―
せっかくアイツが俺のために作ってきてくれた。



食べないわけにはいかない。




「誰が作ったんスか?」

「林檎だ…」

「林檎さんが…?」



あの腕でクッキーを作ってきてくれた。



こんな優しさをくれたのもアイツが初めてで。



あのときもそうだったか…。





「あ、林檎さん迎えに行かなくても…」

「今日は違う」

「そうなんですか…」

「俺、思うんスけど…林檎さんの彼氏本当にあれが彼氏なんスか?」


もう校門から出ようとするアイツを窓から俺は見る。



ちゃんと恋人らしく手繋いでるしいいじゃねえか。




「ああ」

「そうなんスか…気を使っているような気がします」

「んなわけねぇよ…」

「柊斗さん…」





んなわけねぇ…。



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