河童沼ロマンティック


おじいちゃん家のお客様は、それはもう多種多様でした。

大きな市から訪町された議員、お花やお茶の先生、作家のたまごに、訳ありのカップル‥

いつも誰かしらが来ていて、客間にリビングにお庭にと、いつも賑やかなお喋りで溢れていました。

何故だかは分かりません。
おじいちゃんはその町で、きっと顔が広かったのでしょう。


おじいちゃんのお家は旧家で、広い敷地の大きな建物は大正時代に建てられたものでした。

重そうな木を使った和洋折衷の建物は、ロマンティックでもあり、見えない何かが住み着いていてもおかしくないような冷んやりとした空気を作り出していました。

作り出していたというよりは、もう何年も前から空気が留まっていると言った方が雰囲気的には近いかもしれません。

賑やかで華やかな半面、そのギャップも、人々を惹き付けていたのだろうと思います。


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