空に手が届きそうだ
「良子……?」
何も言わない良子に、風花は心配そうに声をかける。
「ねぇ、風花。」
「どした?」
「今日は、路地裏で撮ろう?」
「……うん。」
その、真剣な眼差しにあっさりと了承する。
(良子、いい目してる。)
「よしっ。じゃあ行こう。早くしないと、太陽登りきっちゃう。」
風花がそう言って、公園を出ようとすると、
「あっ。でも、その前に、一枚だけ取らせて。」
と良子に言われて、歩みかけた足を止める。頭の中で、時間の計算をした。
(多分大丈夫かな?)
若干心配になったが、良子の腕を信じてうんと黙って頷く。
それを見て優は、すっと風花の側に行き、カバンを預かるといそいそと良子の視界から消える。
その間に、風花は髪を整えながらて目を閉じてぐっと感情を込める。
(私は、モデル。)
風花が、俯いていた顔を上げて目を開けると、ピンとした空気が針積める。
(プロだ………。)
良子は、何も言わずにシャッターを切る。
場面ごとに、角度を変えて切っては目で風花に訴える。
指示も何もない、無言の空間。
まるで、何処かのスタジオを借りて、本格的に撮っているのを見ているような気がした。
何も言わない良子に、風花は心配そうに声をかける。
「ねぇ、風花。」
「どした?」
「今日は、路地裏で撮ろう?」
「……うん。」
その、真剣な眼差しにあっさりと了承する。
(良子、いい目してる。)
「よしっ。じゃあ行こう。早くしないと、太陽登りきっちゃう。」
風花がそう言って、公園を出ようとすると、
「あっ。でも、その前に、一枚だけ取らせて。」
と良子に言われて、歩みかけた足を止める。頭の中で、時間の計算をした。
(多分大丈夫かな?)
若干心配になったが、良子の腕を信じてうんと黙って頷く。
それを見て優は、すっと風花の側に行き、カバンを預かるといそいそと良子の視界から消える。
その間に、風花は髪を整えながらて目を閉じてぐっと感情を込める。
(私は、モデル。)
風花が、俯いていた顔を上げて目を開けると、ピンとした空気が針積める。
(プロだ………。)
良子は、何も言わずにシャッターを切る。
場面ごとに、角度を変えて切っては目で風花に訴える。
指示も何もない、無言の空間。
まるで、何処かのスタジオを借りて、本格的に撮っているのを見ているような気がした。