夢中遊泳、その先に君


─出会った瞬間に、もう好きだった。


高校入学最初の日。俺は校門を入ってすぐ、アカリに出会った。

意気揚々と期待に満ち、浮き足立っている新入生の中で、アカリは一人だけ浮いていた。

浮いている、というのはきっと違う。そう、他の人とは違って見えた。

誰よりも大人びた雰囲気。

なびく長い髪先がうっすらとピンク色で、それはとてもとても春に栄えていた。


「真鍋くんの下の名前、なんて読むの?」


偶然というか、奇跡というか。

真鍋、という名字の俺と、明加、という名字のアカリはあいうえお順の単純な法則で、隣並びの席になった。

俺は緊張でただのデッカイ塊みたいになっていたから、ものすごく無愛想だったと思う。

でもアカリはとても気さくに笑いかけ、俺の下の名前を聞いた。なんて読むの。

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