白銀の女神 紅の王

それぞれの行方




チュン――――

チュン――――


小鳥の囀りが聞こえる……

遠くで鳴いているように聞こえるのは、まだ意識が覚醒しきっていないからだろうか。

天窓から射す朝日を感じるのに、瞼を開く事が出来ない。



何だか体も重いし……



「んっ………」

身動きしようとしても動けない苦しさに、小さく声を上げる。

そして、段々と意識が回復するとともに、その原因が何かが分かってくる。

腰と背中に回っているもの…



それは―――――



ゆっくりと瞳を開く。

輪郭がぼやけて、色彩しか追えない。

何度か瞬きをして、段々と視界がはっきりしてきた。



そして―――――


「ッ………!」

体を拘束していた“原因”を見て、大きく息を飲む。


シルバ………


私の腰と背中に回っていたのは、シルバの腕だった。

仰向けに寝るシルバの上に、重なる様にして抱きかかえられている。



< 458 / 531 >

この作品をシェア

pagetop