誘拐犯は私の彼氏!?
明らかに困惑の色を示したした私。
そんな私の表情を見逃さなかった美人さんは、小さく静かに微笑んだ。
この状況で、こんなに穏やかに笑えるものなのか。
そんな風に考えてしまうほど、彼女の微笑みには自信と安心感があった。
「大丈夫よ。
………私の手を見て。」
視線を下にして、私に小さく合図を送る。
言われるがまま、私は彼女の手に視線を落とす。
彼女の手には、小さなナイフが握られていた。