誘拐犯は私の彼氏!?
拳銃をこれみよがしに見せつけながら、気の弱そうな犯人は私に縄をかけていく。
あまり手際のよいとは言えない手つきで、アザができるくらいきつく縄をかける。
ぐちゃぐちゃな結び目に震える手。
ちらちらと後ろを気にしている。
明らかな挙動不審な視線の先に、やけに威圧感のある大男がソファーに腰かけていた。
一目でその大男を恐れているのがわかる。
大男の足を組む動作ひとつに、異常なまでに反応している。
あの大男が、主犯だろう。